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第101回全国高等学校野球選手権西東京大会 三回戦 日野-国士舘

夏の重みを感じる一戦

やはり夏の大会は敗者にとって残酷です。たった1敗で全てが終わってしまいます。
昨秋の都大会を制し10年振りにセンバツに出場し、春の大会も準優勝したシード校の国士舘高校が、最後の夏にまさかの初戦敗退。
序盤は小刻みに点を加え5回終了時点で3対0と国士舘が有利に試合を進めていましたが、日野高校は6回に連打とファーボールを絡めて一挙5点を奪って逆転。国士舘は7回に1点差まで追い詰めましたが及ばず。
日野高校の6回の攻撃は見事でしたし、何よりベンチとスタンドが一丸となって一球一球に声援を送り、ブラスバンドと一体となり応援している姿は、夏の大会そのものでした。守っている国士舘側からするとかなりのプレッシャーを感じたのではないでしょうか。
また、初戦敗退を避けたい国士館側が終盤、焦りからか緩いボールに対して打たされてしまうケースが目立ちました。これが夏の初戦以外の試合ならじっくりと自身のタイミングでスイングが出来ていたかもしれないと思うと夏の初戦の重みを感じます。

日野高校対国士館高校試合終了後あいさつ。

敗者の姿

球場裏で敗れた国士館の選手達が泣き崩れていました。秋、春の結果からすれば当然、夏も甲子園出場を目標に掲げていたでしょうから、初戦敗退の現実を受け入れられないといった様子で、こちらも選手たちの涙につられ泣いてしまいました。また、悔しい気持ちを抑えキャプテンとして取材にしっかりと受け答えしていた姿は立派で、取材後、そばで見守っていたご両親と抱き合っている姿は親子の絆を感じる素晴らしい光景でした。

国士館キャプテン試合終了後インタビュー

新チーム結成当時から4番を任され、この試合でも5打数4安打2打点と活躍した2年生の黒澤君に対し3年生から感謝と来年へのエールを送られていました。そして、黒澤君も涙を見せず、その目は次を見据えているようでした。

国士館黒澤君への激励

日野高校は台風の目

スピードはないものの安定したピッチングをするエースとそれを支える守備陣。そして、鋭い打球を放つ攻撃陣。そして何より、ベンチとスタンドが一体となっている応援スタイル。学校全体が野球部の活躍に期待していることが感じられました。強豪揃いの西東京を勝ち抜くのは容易ではありませんが、応援したくなる爽やかなチーム。この雰囲気が続けば近い将来、甲子園も見えてくるかもしれません。期待したいです。
日野高校応援席

日野高校野球部応援に感謝

地方大会の魅力

勝者と敗者の明暗がはっきりと分かれる姿を間近に見られるのも地方大会の良さです。さらに神宮や千葉マリンでは選手も遠くなってしまいますが、地方球場だと試合を近くで見ることが出来ますし、試合後もすぐ側に選手がいるので身近に選手を感じることが出来ます。試合そのものはインターネットでも見られる時代になりましたが、試合後の選手達の表情などは現場に足を運ばないと見られません。夏の地方大会は想像以上に面白い。

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