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7月, 2019の投稿を表示しています

第101回全国高等学校野球選手権石川大会 総括

今大会を振り返る 今大会を振り返るとやはり夏を制するのは至難の業だということを改めて感じた大会だった。 昨秋、今春とほぼ圧勝で県大会を制してきた星稜だったが、今夏は準々決勝以降、本当に苦しい戦いが続き、一歩間違えれば敗退する可能性があったように思う。特に驚きだったのが奥川君に対してしっかりと対応し結果を残したことだ。県大会ではほぼ投球機会がなく初対戦という打者も多かっただろうが、145キロを超えるストレートを難なく打ち返すシーンがあり、秋や春の北信越では見られない光景だった。選抜含めてほぼ無双状態だったことを思うと高校生の成長の速さには驚かされる。 また、星稜側に絶対王者としてのプレッシャーがあったのかもしれないが、相手投手の気迫のこもったピッチングに本当に苦労した。先制点は取れたもののあと一本が出ないため試合の主導権を握れず結果的に追いつかれたり接戦になってしまい準々決勝以降にコールド勝ちが無かった。大会記録の11本のホームランは見事だが、打ち勝った印象は全くない。 とは言え、全く良いところがなかったわけでもない。準決勝の鵬学園戦に先発した寺沢君。初回こそホームランを浴びたがその後は全く相手バッターに的を絞らせずピンチらしいピンチがないピッチングを見せてくれたこと。7回は連打を浴びて降板することになったが、甲子園でも充分に先発としての役割を果たしてくれるだろう。 野手では今まで出番が少なかった控えが選手がスタメンや大事な場面で試合に出場したことはとても意義のあることだと思うし、結果を残せたことも貴重だ。ベンチとグランドプレイヤーの一体感は苦しい試合に必ず力になるだろう。接戦をチーム一体となってものにしたことは必ず甲子園でも活きてくるだろう。 甲子園での課題 新チーム結成時からのチーム目標は全国制覇だが、選抜の時ほどの期待が持てない、持たないようにしているのが正直な気持ちだ。県大会を見る限り奥川君と言えども3点くらいの失点は覚悟する必要がありそう。となるとやはり何点取れるか、どう点を取りに行くのかが、カギを握ることになりそうだ。選手名を挙げるとすると先頭打者の東海林君と4番の内山君。東海林君が打つとチームは強い。ただ、対左ピッチャーの時にどれだけ出塁できるかは大きなポイントになりそう。内山君は、4番としてどれだけ打点を稼げる

第101回全国高等学校野球選手権石川大会 決勝 星稜-小松大谷

星稜-小松大谷戦を振り返る 1 2 3 4 5 6 7 8 9 計 星 稜 0 0 0 1 0 1 0 0 4 6 大 谷 0 0 0 1 0 0 0 1 0 2 甲子園を決める一戦は独特の緊張感があります。ここまで来たらどちらも譲れません。チームの想い、支えてくれた家族の想い、同級生の想い、OB・OGの想い。様々の想いがグランドに立つ両チームのナインを包み込む感じました。 最終スコアこそ6-2でしたが、星稜奥川君と小松大谷生長君の投手戦。 とは言え、奥川君はさすがでした。終わってみれば14奪三振。ホームランを2本打たれましたが、県立球場以外なら防げていた可能性もあります。 打線は、生長君をなかなか崩すことが出来ませんでしたが、9回は連投と炎天下での投球で少し球威が落ちたのかもしれません。星稜にとっては山瀬君、大高君と右バッターが続いたのも幸運でした。代打の切り札的存在の今井君に対して長打を警戒し慎重な投球となりファーボール。そして、東海林君。昨秋から見ていましたが、左ピッチャーの打率が低く、この日も2三振を喫していました。ここが勝負の分かれ目と見ていましたが、生長君の球威の衰えと5打席目で目が慣れてきたためかツーアウトに追い込まれてからファールで粘る姿を見て期待が持てましたが、まさかのグランドスラム。本当に素晴らしい放物線を描いた綺麗な打球でした。 一気に4点勝ち越せたことで勝負あり。ただ、あの場面で得点出来なかったら甲子園の切符を手にすることは出来なかったかもしれません。 小松大谷山根君の今後に注目 大会前に注目の選手として山根君を取り上げましたが、打者としてこれほど素晴らしいとは思いませんでした。チーム事情でピッチャーからバッターに専念することになったようですが、奥川君からホームランを含む4打数3安打は見事です。また、大会を通じても素晴らしい結果でした。即プロというわけにはいかないでしょうが、本人もそこを目指して今後も野球を続けると思いますので今後の活躍を注目したいです。

第101回全国高等学校野球選手権西東京大会 三回戦 日野-国士舘

夏の重みを感じる一戦 やはり夏の大会は敗者にとって残酷です。たった1敗で全てが終わってしまいます。 昨秋の都大会を制し10年振りにセンバツに出場し、春の大会も準優勝したシード校の国士舘高校が、最後の夏にまさかの初戦敗退。 序盤は小刻みに点を加え5回終了時点で3対0と国士舘が有利に試合を進めていましたが、日野高校は6回に連打とファーボールを絡めて一挙5点を奪って逆転。国士舘は7回に1点差まで追い詰めましたが及ばず。 日野高校の6回の攻撃は見事でしたし、何よりベンチとスタンドが一丸となって一球一球に声援を送り、ブラスバンドと一体となり応援している姿は、夏の大会そのものでした。守っている国士舘側からするとかなりのプレッシャーを感じたのではないでしょうか。 また、初戦敗退を避けたい国士館側が終盤、焦りからか緩いボールに対して打たされてしまうケースが目立ちました。これが夏の初戦以外の試合ならじっくりと自身のタイミングでスイングが出来ていたかもしれないと思うと夏の初戦の重みを感じます。 敗者の姿 球場裏で敗れた国士館の選手達が泣き崩れていました。秋、春の結果からすれば当然、夏も甲子園出場を目標に掲げていたでしょうから、初戦敗退の現実を受け入れられないといった様子で、こちらも選手たちの涙につられ泣いてしまいました。また、悔しい気持ちを抑えキャプテンとして取材にしっかりと受け答えしていた姿は立派で、取材後、そばで見守っていたご両親と抱き合っている姿は親子の絆を感じる素晴らしい光景でした。 新チーム結成当時から4番を任され、この試合でも5打数4安打2打点と活躍した2年生の黒澤君に対し3年生から感謝と来年へのエールを送られていました。そして、黒澤君も涙を見せず、その目は次を見据えているようでした。 日野高校は台風の目 スピードはないものの安定したピッチングをするエースとそれを支える守備陣。そして、鋭い打球を放つ攻撃陣。そして何より、ベンチとスタンドが一体となっている応援スタイル。学校全体が野球部の活躍に期待していることが感じられました。強豪揃いの西東京を勝ち抜くのは容易ではありませんが、応援したくなる爽やかなチーム。この雰囲気が続けば近い将来、甲子園も見えてくるかもしれません。期待したいです

第101回全国高等学校野球選手権東東京大会 二回戦 錦城学園-浅草・かえつ有明・科学技術・桐ヶ丘

連合チームの参加数は過去最多の86チーム 野球人口の減少の影響で、今年の連合チームの参加数は過去最多の86チーム(234校)とのこと。人数が集まらないチームだから野球を辞めたいと思うでしょうし、思春期の高校生にとっては連合チームで出場することへの恥ずかしさもあるでしょう。部員が揃わない野球部ということで校内で笑いものになっているかもしれません。でも、彼らは野球を続けるという選択をしました。強豪校と対戦し屈辱的な敗北を味わうかもしれないのに彼らはグランドに立つことを選択しました。何故だろう?野球が好きだからか?その答えを知りたいという気持ちと戦うことを選んだ彼らにエールを送りたくて神宮第二球場に足を運びました。 連合チームとは対照的な対戦相手 東東京大会の二回戦錦城学園-浅草・かえつ有明・科学技術・桐ヶ丘の対戦。錦城学園は私学で、部員数も多く東東京大会でベスト16は狙える可能性がある強豪チームで今日の試合は、ブラスバンドとチアリーダーの応援付き。 一方、浅草・かえつ有明・科学技術・桐ヶ丘の連合チームはシートノックを見てもぎこちなくお世辞にも上手いとは言えず、応援も同級生や先輩、一部の学校関係者のみでまとまりのある応援も期待出来ません。対照的な両チームの対戦となりました。 浅草・かえつ有明・科学技術・桐ヶ丘連合チームの奮戦に胸熱く 結果的には、16-2で6回コールドゲームでしたが、そこまで点差を感じる内容ではなかったように思いました。角谷君も変則的な左ピッチャーで序盤はコントロールに苦しみながらも相手打線を粘り強く抑える投球でした。ただ、変化球のコントロールが定まらず、それがバッテリーミスに繋がってしまいランナーの進塁を許し防げていたかもしれない点を簡単に与えてしまったことでリードを広げられてしまいました。 打線は、きっちりとスイングする打者も多く、クリーンヒットが何本も出ていました。 何より守備の時の声がけや攻撃前の監督の指示をまっすぐな目で見つめる視線。野球に集中している姿勢に感銘し胸を熱くし、2点目を奪ったときは本当に感動し、大声で声援を送っていました。 連合チームの課題 全ての連合チームが同じ課題を抱えているとは限りませんが、観戦した浅草・かえつ有明・科学技術・桐ヶ丘はバッティングや正面の打球処理とスローイ