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第54回明治神宮野球大会 総括


星稜、32年ぶりに明治神宮大会制覇!

星稜が作新学院を3-1で破り32年ぶりに明治神宮大会を制覇しました。各地区の優勝校相手に4勝は非常に価値があり、来春のセンバツでの活躍が今から楽しみです。

星稜ベンチ入りメンバー

背番号名前ポジション学年出身投打身長体重
1佐宗翼投手2年星稜中左/左177/73
2能見誠也捕手1年金沢市立清泉中右/左174/72
3服部航内野手1年星稜中右/左170/74
4中谷羽玖内野手2年星稜中右/左168/66
5萩原獅士内野手2年神戸中央リトルシニア右/右172/73
6吉田大吾内野手2年取手リトルシニア右/右175/73
7中島幹大外野手2年星稜中右/右169/68
8芦硲晃太外野手2年泉州阪堺ボーイズ右/左173/75
9專徒大和外野手2年星稜中左/左173/72
10竹下史紘内野手2年星稜中右/右-/-
11道本想投手1年星稜中右/左-/-
12河上涼太捕手2年星稜中右/右-/-
13島田光内野手2年星稜中右/左-/-
14中村瞭太内野手2年星稜中右/右-/-
15濱田大聖外野手2年大阪福島リトルシニア右/右177/72
16    橋本晏地外野手2年星稜中右/左-/-
17戸田慶星投手1年星稜中右/右169/70
18中島海翔外野手2年星稜中右/右178/75


星稜-広陵 7-6で逆転勝ち

初戦の広陵戦、初回にエラーとフィルダーチョイスなどでいきなり3失点と昨夏と今夏の甲子園を思い出させる展開となり、あぁまたかと思いましたが、打順がふた回り目になった3回に集中打で一挙5点を奪い逆転。さらに、4回にも2点を追加し試合を優位に進めます。
先発した佐宗君もヒットを許すも粘り強く投げ続け、最終回に2点を奪われ1点差に詰め寄られますが、最後は三振で締め124球の完投勝利。7-6で強豪相手に全員野球で掴み取った1勝。山下監督にとっても全国大会の初勝利となりました。

星稜-青森山田 3-2で初戦に続き逆転勝ち

準々決勝の相手は東北地区の青森山田。試合開始時間が、雨の影響で16:30過ぎになりナイターゲームになりました。
先発は1年生の道本君。初回に不安なタイムリーで1点を失い、この試合も序盤から追いかける試合になりますが、1点のみで留めたところが流石です。
3回に芦硲君の同点タイムリーと萩原君の滞空時間の長いレフトポール際への2ランホームランで勝ち越しに成功。この試合も二回り目で相手投手を捉え見事逆転しました。
その後は、道本君が粘りのピッチングで2リードのまま9回を迎え先頭にツーベースを打たれたところでエース佐宗君に交代。犠牲フライで1点は失ったものの後続は抑え、3-2で逃げ切りました。
吐く息が白く終盤になるにつれて気温が上がる中、道本君も佐宗君も良く投げ切りました。また、道本君は、全国レベルの相手でも十分通用することを証明してくれました。
















準決勝 星稜-豊川 15-3で5回コールド勝ち

初回から打線が繋がり幸先よく2点を先制。直後にモイセイフ君に2アウトからソロホームランを打たれるも、2回にも6点、3回にも3点、4回に4点を5回までに15点を奪う。
中でも萩原君は2試合連続のホームランを放ち、芦硲君は4安打6打点にライトポール直撃のホームランを放つなど主軸が大爆発。北信越の準決勝の北陸戦以降、世代を代表するようなピッチャーとの対戦が続いた星稜打線にとっては、組みやすいピッチャーとの対戦になったようにも思いました。
先発道本君は、4回3失点と中1日ということもあり、苦しい投球でしたが、大量得点を奪われないところは流石でした。
5回には、石川大会と北信越大会にベンチ外だった新島君がマウンドに上がります。スタンドで見守る同級生と保護者の皆さんから大きな拍手が送られマウンドに向かう姿はとても良い光景でした。ピンチは作りましたが、無失点に抑えてくれました。


決勝 星稜-作新学院 3-1で接戦を制す

江川2世と言われる右オーバーハンドの小川君と佐宗君との投げ合いで始まった決勝戦。この二人は中学時代も対戦していたようです。両エースともに安定した立ち上がりを見せ、中々点が入りそうにない展開でしたが、4回に服部君が先制のソロホームランを放ちました。
6回に同点に追いつかれるも、8回に芦硲君の2点タイムリーで勝ち越し、佐宗君が9回124球の完投勝利で32年ぶり3回目の神宮大会制覇となりました。
勝負所は6回にピンチを迎えた場面で、伝令を送り、さらに同点に追いつかれた場面でも伝令を送り、同点止まりで抑えたことでしょう。二番手石毛君も良いピッチャーですが、大会通して打撃好調な星稜打線を抑えるのは難しかったのかもしれません。




















大会を通して感じたこと

北信越大会を優勝し来春のセンバツ出場はほぼ間違いない状態でしたが、昨夏、今夏と甲子園で悔しい思いをしているので、この世代がどれだけ全国の強豪校を相手に戦えるのか注目し、少なくとも1勝、出来れば2勝出来れば甲子園でも充分戦える実力を証明出来ると思っていましたが、見事に4つ勝って秋の日本一。本当に素晴らしい結果で、星稜は強いんだということを全国に示してくれたと思います。
また、単に優勝したというだけでなく、来春のセンバツや夏の甲子園にも繋がるような戦い方が出来ました。というのも、日程がかなり過密な明治神宮大会で、佐宗君と道本君を中心に長いイニングの連投を避けながらトーナメントを勝ち上がりました。この経験は、甲子園でも活かさせることでしょう。
さらに、今大会、ベンチの間近で観戦して気付いたことは、山下監督が、自分らしく自分の思ったように戦っているように感じました。今まではどうしても代行監督だったり、正式に監督になって間もないこともあり、選手を支えることで精一杯だったように気がしたのですが、今大会は初戦の広陵戦の試合前の円陣から、かなり長い時間をかけて話しかけ、選手達との距離が本当の意味で監督と選手という立場になったと感じ、4試合通しても何かしがらみがなく戦い采配しているような気がしました。
そして、トーナメントを勝ち抜くための戦い方を見ても勝ち上がって行くんだという選手起用に感じました。初戦、苦しみながらも佐宗君を完投させたこと。完投させたことで結果的に次戦の青森山田に対して万全の状態で道本君を投げさせることが出来たわけで、それが道本君の好投にも繋がったと言えると思います。さらに、準決勝では、道本君を先発させました。これは、打撃戦を覚悟し佐宗君をなるべく使わないように戦い、決勝は万全の状態で佐宗君で戦うという起用だったように感じました。インタビューでは1試合1試合勉強というようなことを仰っていたようですが、監督自身は、勝ちに非常に拘っていたのではないかと。それが最高の結果となり、監督自身もやってきたことに関して自信になったのではないかと思います。一つ結果を残せたのであとは甲子園でも大きな結果を期待したいです。

センバツに向けての課題は?

秋の日本一になったチームに課題というのも何ですが、やはり甲子園で勝つというのが高校野球の最終目標なので、その目標達成のために課題や改善点をいくつか思ったことを書きたいと思います。
まずは、チーム発足当初から打てるチームではないということを監督が仰ってましたが、秋の大会を通して、大事なところでの畳みかける集中打はあるものの、いいピッチャーが対戦相手になるとなかなか攻略するのに時間がかかる印象です。とは言え、選手個々の繋ぐ意識や打球の鋭さ、さらに服部君や能見君など伸びしろがある1年生もいるので、一冬越すことで大きく成長する可能性がありますし、反対方向への意識が高いチームのような気がするので、低反発のバットになってもそこまで苦労はしないのではないかと予想しています。

次に、佐宗君、道本君に次ぐピッチャーの台頭です。佐宗君や道本君が全国の強豪相手にも通用することは証明されましたので、あとは、その次のピッチャーの成長があれば鬼に金棒で、苦しいトーナメントを戦いやすくなります。また、戸田君や改瀬君といった1年生でも魅力があるピッチャーがいますので、冬に大きく成長してもらい、佐宗君や道本君が投げなくても試合を作れるピッチャーになってくれれば言うことなしです。

センバツで、まずは山下監督に甲子園1勝。できれば2勝してベスト8。欲を言えば学校初のセンバツベスト4を期待したいところです。


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