星稜高校、準々決勝で敗れ3年連続で夏の甲子園出場を逃す(第108回全国高等学校野球選手権石川大会 総括)

星稜高校、準々決勝で敗れ3年連続で夏の甲子園出場を逃す

第108回全国高等学校野球選手権石川大会で3年ぶりの甲子園出場を目指した星稜高校ですが、準々決勝で金沢高校に敗れました。
準々決勝で敗れた星稜野球部

準々決勝で敗れた星稜野球部

初戦・北陸学院との激闘を完投勝利で制す!

2回戦:北陸学院戦(6-2 勝利)

夏の初戦の相手は、2025年夏の石川大会でベスト4に進出した実力校・北陸学院。星稜の先発は、今大会もエースナンバー「1」を背負う2年生左腕の小路英主投手です。初回に2本のヒットを許し、いきなり一・三塁のピンチを背負いますが、慌てることなく後続を打ち取り上々の立ち上がりを見せます。

一方の攻撃陣は、北陸学院の先発・藤井咲哉投手のコーナーを丁寧に投げ分ける巧みなピッチングを前になかなか好機を見出せません。しかし4回裏、ついに試合が動きます。宮岸選手、服部成選手の連打などで満塁のチャンスを作ると、キャプテン中川選手がじっくりとフォアボールを選び、押し出しで待望の1点を先制しました。

ところが直後の5回表、2死二塁の場面で不規則な回転をかけた打球が内野安打となり、その間に二塁ランナーの生還を許し同点に。試合は1-1の緊迫したムードのまま終盤へと突入します。

再び試合が動いたのは7回裏。星稜は2死一・三塁の好機を迎えると、1年生の服部成選手が勝負強さを発揮し、値千金の勝ち越し2点タイムリーヒットを放ちます!さらに勢いに乗る打線は8回裏、トップバッターの杉原選手が走者一掃の2点タイムリー3ベースヒットを放ちリードを広げると、相手のワイルドピッチの間にもう1点を追加。6-1と突き放して最終回のマウンドをエースに託します。

9回表、小路投手は1点を失うものの、終始落ち着いたマウンド捌きで後続をぴしゃりと抑え、初戦を見事な完投勝利で飾りました。被安打8本を許しながらも、終わってみれば「四死球0・10奪三振」という、まさにエースの証明と呼ぶにふさわしいナイスピッチングでした!

古豪金沢桜丘を破り準々決勝進出

3回戦:金沢桜丘戦(4-1 勝利)

続く3回戦の相手は、金沢桜丘高校。注目の先発マウンドには、1年生の服部成選手が抜擢されました。

先制点を奪って主導権を握りたい星稜は3回裏、フォアボールで出たランナーをきっちりと送りバントで二塁へ進めると、さらにヒットでチャンスを拡大。ここで池田選手が期待に応え、先制2点タイムリーツーベースヒットを放ちます!勢いに乗る打線は、続く4番・宮岸選手にもタイムリーが飛び出し、この回一挙3点を先制しました。さらに5回裏にも上位打線で作った好機から、服部成選手自らが犠牲フライを放ち1点を追加。4-0とリードを広げて試合を有利に進めます。

投げては、先発の服部成投手が素晴らしいピッチングを披露。8回まで相手打線に連打を許さない投球で、無失点のまま最終回のマウンドへ上がります。

しかし9回表、金沢桜丘打線も意地を見せて粘りの攻撃を仕掛け、服部成投手から3連打を放って1点を返します。なおもピンチが続く緊迫した場面、星稜ベンチは好リリーフが光る渡邊投手をマウンドへ送ります。渡邊投手は期待通り後続の打者二人を危なげなく抑え込んでゲームセット。4-1で勝利を収め、見事に準々決勝進出(ベスト8)を決めました!

金沢に敗れ昨夏のリベンジならず

準々決勝:金沢高校戦(3-10 敗退)

今夏で唯一の現地観戦となった準々決勝の相手は、昨夏の準決勝でタイブレークの末に敗れた宿敵・金沢高校。絶対に負けられない大一番の先発マウンドには、エース小路投手が上がりました。

しかし初回、立ち上がりから試練が訪れます。金沢のトップバッターは、埼玉西武ライオンズの齋藤大翔選手を兄に持つ俊足の齋藤樹希選手。絶対に出塁を許したくない場面でしたが、味方の失策によりいきなり出塁を許してしまいます。手堅く送りバントで進められると、そこから安打と犠牲フライを浴び、あっさりと1点を先制されてしまいました。

さらに2回表、2死を奪いながらも8番・9番に連打を許すと、再び打席に立った齋藤樹希選手に痛恨の2点タイムリーを浴びます。ここから四球と再びの失策が重なり満塁のピンチを招くと、タイムリーと押し出し死球でこの回一挙4失点。0-5と完全に金沢高校に主導権を握られる、これまでの小路投手からは信じられない波乱の展開となってしまいました。

なんとか相手の勢いを止めたい星稜は、2番手として渡邊投手を投入しますが、2イニング目に相手打線につかまり致命的な2点を追加されてしまいます。

意地を見せたい星稜も中盤になって反撃を開始。相手エース・佐原投手を捕え、5回に福場選手のタイムリーなどで2点、6回に1点を返して3-7とし、終盤に望みを繋ぐ展開に持ち込みます。

タイムリーを放った福場選手

タイムリーを放った福場選手

しかし7回表、3番手の中森投手が内野安打と四球でピンチを招くと、4番手として登板した服部成投手も金沢打線の勢いを止めきれず、満塁から走者一掃のタイムリー3ベースヒットを打たれ、決定的な追加点を奪われてしまいました。

星稜中森斗茂哉投手

星稜中森斗茂哉投手

7回裏、1点でも取らなければコールド負けが決まる崖っぷちの場面。代わった相手2番手・鈴木耀晟投手を前に反撃の糸口を掴めず三者凡退で試合終了。昨夏のリベンジに燃えた星稜でしたが、悔しすぎるコールド負けという結果に終わってしまいました。

一方的な展開となってしまっただけに敗因は一つではありませんが、やはり「齋藤樹希選手に乗せられてしまったこと」が最大の誤算だったと感じます。彼が塁に出て得点に結びつけるのが金沢の野球スタイルだけに、初回のエラーによる出塁は悔やまれてなりません。また、春の大会では安定していた守備の綻びが失点に直結し、四死球が増えてしまったことも響きました。

何より、金沢側の徹底した「星稜対策」は見事でした。小路投手や渡邊投手の投球を研究し尽くして捉えた打撃陣はもちろん、今大会好調だった星稜のクリーンアップを完璧に無安打に抑え込んだバッテリーの配球など、すべての面において金沢が1枚上手だったと言わざるを得ない一戦でした。

選手権大会総括:試練の夏、敗戦から見えた課題と危機感

今大会を振り返ると、組み合わせが決まった段階から厳しいトーナメントに入った印象で、第1シードでありながらアドバンテージを活かしきれない展開となってしまいました。初戦からエース小路投手を登板させざるを得ない相手との対戦が続き、9回まで投げ切る試合が重なったことで、体力面の消耗はもちろん、相手データとして多くの研究材料を与えてしまった側面は否めません。また、北信越大会の準決勝(松本国際戦)で服部成投手が打たれた場面も気になっていましたが、今大会も金沢桜丘戦こそ抑えたものの、金沢高校戦では打者4人に対して被安打2と捕まってしまいました。スピードはあるものの、相手打線にとって打ちやすい球筋になっているのかもしれません。

試合終了後も涙が止まらない小路投手

試合終了後も涙が止まらない小路投手

💎 予兆があった選手起用とチーム編成の難しさ 春季大会では2人の1年生がベンチ入りし、即スタメンとしてチーム力を大きく引き上げて優勝を果たしました。しかし北信越大会に入ると西選手が3番、服部成選手が5番を打ち、エースナンバーも小路投手に変更。中森投手の登板機会がないまま準決勝敗退となりました。力のある下級生をスタメンに抜擢すること自体は大賛成ですが、それはあくまで3年生にチームの軸となる主力がどっしりと控えていることが前提にあってこそだと感じます。今年のチームで言えば、投手なら中森投手や織田投手、打者なら伊藤選手といった3年生がスタメンで威厳を示してこそ、下級生の伸び伸びとしたプレーが活きるのではないでしょうか。

今大会、中森投手は金沢戦のリードを許した苦しい場面での今大会初登板となり、伊藤選手も金沢桜丘戦の代打1打席のみ。服部成選手が指名打者と投手の二刀流として重責を担わざるを得ない状況となり、1年生に負担がかかりすぎてしまった感は否めません。
🔥 総評:甲子園が遠のくことへの危機感と新チームへの期待 これで夏は3年連続で甲子園出場を逃す結果となりました。一昨年は決勝、昨年は準決勝、そして今年は準々決勝での敗退と、年々甲子園の頂が遠のいている現実には強い危機感を覚えます。一度甲子園から遠ざかると、その扉を再びこじ開けるのがいかに困難になるかは過去の高校野球の歴史が物語っています。常連として出場し続けている時期は「甲子園で勝つための練習」を高い意識で自然と行えますが、遠のいてしまうといつの間にか目標が「甲子園に出場するための練習」へとすり替わり、意識の低下を招きやすくなります。また、勝ち続けているチームには独特の威圧感があり相手の自滅を誘うものですが、遠ざかると「出場しなければ」という焦りから自分たちが自滅してしまうスパイラルに陥りがちです。準々決勝でのミスや四死球の連鎖は、まさにそのプレッシャーの表れだったのかもしれません。

しかし、新チームには依然として楽しみな有望株が数多く揃っています。この苦しい負のスパイラルを何としても断ち切り、まずは秋の戦いを制して来春のセンバツ、そして悲願である来夏の甲子園出場へと再び駆け上がってくれることを心から期待しています。

ベンチ入りメンバー成績表

背番号選手名学年守備打数得点安打打点打率HR
1小路 英主2年投手0000-0
2福場 瑠大3年捕手8331.3750
3服部 成1年投手9022.2220
4松本 壮平2年内野6000.0000
5池田 玲音3年内野11133.2730
6和賀 仁之介3年内野9120.2220
7杉原 理玖2年外野11342.3640
8中川 絢太3年外野7111.1430
9宮岸 駿丞3年外野8142.5000
10中森 斗茂哉3年投手0000-0
11渡邊 宇一郎3年投手0000-0
12池脇 槙3年内野1001.0000
13西 悠晴1年外野10220.2000
14濱田 紘徳3年内野0000-0
15山田 倖生2年捕手0000-0
16井﨑 利功2年内野0000-0
17伊藤 大史3年内野1000.0000
18尾田 悠空2年投手0000-0
19東 寛斗2年投手0000-0
20紙谷 洵生3年外野11101.0000
82132212.2680
背番号選手名回数打者球数安打三振四球死球失点自責防御率
1小路 英主1147161131011775.73
3服部 成938136101130222.00
10中森 斗茂哉2 2/311381120226.75
11渡邊 宇一郎2 1/311352111227.71
18尾田 悠空----------
19東 寛斗0000000000-
2510737026237213134.68

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